Video Game セガ 2006/04/27 ¥5,040

この「街」というゲームが、何故今も多くの人に愛され、名作と言われているのかがやっと分かった気がします。

チュンソフト得意のお家芸、サウンドノベルということで、まずそのコアとなるシナリオの出来が秀逸であるということは疑いようもないところです。
また、所々に散りばめられた小ネタにニヤリとさせられ、遊び心溢れた感じもグッドです。
「どのシナリオが良い」というより、全てのシナリオが揃って良いなと思ったんですが、ラストの「花火」はやばかったねぇ・・・。こういうのに弱いんですよ。
泣きますよ。というか、むしろ泣きましたよ。
もちろん、良質な本の上にあぐらをかいているわけではなく、ゲームとしての出来も良い感じです。
丁度良い難易度で、じっくりたっぷりと遊ぶことが出来ます。
8人の主人公(隠しシナリオを入れれば11人ですが)に、それぞれまったく色の違うシナリオが用意されており、それらがザッピングで絡み合う様は見事としか良いようがありません。
メインとなるルートだけでなく、バッドエンドも「あれ、こっちであってるのか?」と思うくらいで、スタッフのこだわりが感じられます。
そして、このゲームの大きな特徴として、俳優を起用し、実写を採用しているということがあります。
さて、これがどういう感じなのかといいますと、1998年のゲームであるということでその時代(もう8年前!)を感じさせますが、これがこのゲームの味となっている気がします。
実写だからこその「街」であり、これこそこのゲーム最大の魅力であるのではないでしょうか。
プロの俳優さんを起用していることで、「ゲームは多くの人の手によってつくられているんだ」ということがより分かりやすく伝わってきます。(エンディングの撮影オフショットみて、「ああ、こういうのいいな〜」って思いました。)
プレイ後は、出演してるすべての俳優さんが好きになりましたよ。(鈴木結女さんの歌が、これまた良いんですよ・・・)
特別編ということで、PSP版には特典として、秘蔵シナリオ「サギ山」と「パトリック・ダンディ」が収録されていました。
窪塚演じる「サギ山」、良かったです。ラストにぐっと来ました。
ダンディ編は、なんといっても洪水のように溢れ出す“ダンディ節”の数々。いやぁ、すごいですね。
といっても、おまけですので画像は使いまわしが多く、人物がうつってないショットが多かったのは残念でした。
すでにプレイした人が、このシナリオのためだけに買う価値があるかというと首を傾げざるを得ないですが、未プレイの方にはぜひとも遊んでいただきたい一本です。
久々に感情を揺さぶられたゲーム、「街」。
私の中でも、心に残る大切なゲームとなりました。

コメント

あまくさ
あまくさ
2006年6月27日23:38

青虫くんのシナリオやってねーんじゃねーの?という指摘が出ておりますがいかが?